まさに行楽日和!という気持ちの良い気候になってきました!
どこかに出かけたくてウズウズしている佐藤です。
空気が気持ちいいこの季節、滋賀県民ならやはり琵琶湖で遊びたくなります。しかし、この美しい琵琶湖、いつまでも続くのでしょうか?
ゴールデンウィークを前に環境について考えてみました。
「琵琶湖は昔はよかった」 ばかり聞くが。。
普段、営業で様々なお客様と接していると、「昔はよかった」との声ばかり聞きます。
「昔はソコの川で泳いでいた」、「琵琶湖にはアユやモロコがたくさん」、「琵琶湖の水はもっとキレイだった」、「秋には遡上してくるビワマスで真っ黒」などなど。
本当に昔は良くて、今はダメなのでしょうか?
結論から言いますと、ほぼ正解です。
ただ、〇と×は、それを考える人の価値観、基準によっても異なります。
何事でも自分にとっては良くても他人にとっては都合悪いこともあるように。
環境を考える上で一番大切なのは、個人の感情を捨てて起こっている現実のみを参考に考えることだと思います。何だか難しくなってきましたが、琵琶湖で遊ぶのに気持ちが良い季節を前に琵琶湖の環境を考えてみましょう。
琵琶湖の環境問題って?
滋賀県の環境の話の中心となるのは、いつも琵琶湖です。
では、今日までの琵琶湖の環境の歴史を簡単に。
大昔、大規模な地殻変動により琵琶湖が誕生、その頃には生き物は生息していませんでした。
そして豊かな水により様々な生き物が登場するようになり、根付いていきます。その後人間が登場。人間の文化活動が進化していくごとに湖にとっては悪影響が出てきます。
有名なのは昭和の時代に起きた家庭からの汚水や洗剤が混ざった排水などを琵琶湖に垂れ流したせいによる水質汚染。琵琶湖の水はドブ川のように濁り、海でもないのに赤潮が発生したりもしました。そして、それではいけないと下水対策を進めた結果、水質はある程度改善された現在の琵琶湖に至ります。
では、なぜ、ここ最近になってテレビや新聞で琵琶湖の環境に関するニュースを多く目にするようになったのでしょうか? 昭和の時代の方が酷かったんじゃないのでしょうか。
魚が獲れなくなった琵琶湖
昭和の時代に赤潮が発生するほど深刻になったのに、水がキレイになった現在の方がなぜ琵琶湖の環境問題を目にすることが多くなったのでしょうか?
まず、一つは情報発信力が圧倒的に強くなったからです。
昭和には考えられなかったほど個人でも誰もが情報を発信できる時代です。一人が問題を提起するとそれに不特定多数の人が答える、それが注目されるとさらに多くの人々に共有される、今はそんな時代なのです。
それとは別に、現在琵琶湖の環境問題が多く取り上げられる原因は「魚が獲れなくなった」からです。
ここでいう魚とは、琵琶湖の漁師さんが漁の対象にしている、アユ、モロコ、フナ、ビワマス、などになります。
水質汚染が深刻だった昭和より今の方が魚が獲れないとは、どういったことなのでしょうか?
まず第一に、琵琶湖の水位が人為的に操作されるようになった、という事。
琵琶湖には119本の河川の水が流れ込んでいます。大雨などで水の流入量が増えると琵琶湖の水位も上昇し、少雨が続くと琵琶湖の水位が低下します。昔は四季による自然のサイクルで水位が変化していましたが、現在は琵琶湖の最南端にある「唯一の出口」南郷洗堰の放水量で水位がコントロールされ、台風時などの災害に備えられたりしています。
実はこれが琵琶湖の魚たちにとっては困りもので、春の産卵期は昔は雪解け水で水位が高い状態だったのですが、今は人為的にコントロールされているので水位が低い時もあり、魚たちが産卵したい浅瀬が干上がって産卵できない、もしくは産卵した後に水位を下げられて卵が干上がってしまう、ということが頻繁に起きています。
次に琵琶湖岸がキレイに護岸工事されてしまったこと。
昔の琵琶湖岸は当たり前ですが一周全てが自然のままの岸でした。それが今はかなりの部分が整備され、コンクリートや人工的な護岸に変わってしまっています。琵琶湖で有名だった葦の群生は魚たちの産卵場であり天敵からの隠れ家でもあります。それが奪われてしまったので魚が減ってしまうのは当たり前です。
それを証拠に今やめっきり数が少なくなってしまったというホンモロコが現在でも多く獲れる場所があります。それは西の湖に繋がる長命寺川と伊庭内湖に繋がる大同川です。琵琶湖の中で西の湖と伊庭内湖だけが葦の群生地が残っていることを考えると非常に分かりやすい話です。
ここまで読んでいただいた皆様は、「あれ?外来種の影響は?」とお思いのことでしょう。
外来種の影響等はまた次回でご説明させていただきます。
地域の環境を常に学び、考える佐藤でした。

佐藤英明
「よく働き、よく遊べ」が自分のモットーで、生き急いでいるんじゃないかとよく言われるほどとにかく行動しております。
水と緑に囲まれた生活に憧れて滋賀県に移住してきましたが、誰よりも滋賀県を愛していると自負しております。
暮らしに役立つ情報を発信していきますので、よろしくお願いいたします。

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